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障害福祉サービス事業者の欠格事由とは?指定後に該当したらどうなるか

かなり前に書いた記事ですが、いまだに閲覧数が多い記事です。

障がい福祉サービスで知っておきたい用語と欠格事由

 

 

欠格事由とは

許可や資格を持つための条件を満たさない、または満たさなくなった理由・状態のことを言います。

もっと言うと、本来はその事業・資格・地位に就くのにふさわしくないとされる事情のことです。

これに当てはまると、許可や指定が受けられなかったり、すでに受けているものが取り消されたりします。

 

それがどういった場合かというと、以下のとおりです。

障害者総合支援法第36条第3項に以下の一文があります。

都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、次の各号(療養介護に係る指定の申請にあっては、第七号を除く。)のいずれかに該当するときは、指定障害福祉サービス事業者の指定をしてはならない。

(中略)

第4号 申請者が、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。

 

「その執行を終わり」は、拘禁刑以上の刑に服して出所した(刑期を満了した)ということです。

「執行を受けることがなくなる」は、執行猶予期間が過ぎ去った、刑の執行を受ける法的可能性がなくなった場合ということです。

 

ここでいう「申請者」とは、申請する法人そのもののことです。

法人の従業員すべてが含まれるわけではなく、経営や運営のトップである「役員」や「管理者」が該当します。

つまり、「役員や管理者が拘禁刑以上の刑に処せられたらアウト」ということです。

 

なお「拘禁刑以上の刑」とは、死刑と拘禁刑を指します。

以前は「禁錮以上の刑」という規定でした。

「禁錮」や「懲役」という言葉に馴染みがあるかと思いますが、刑法改正により、この2つの刑が廃止されて現在は「拘禁刑」に一本化されました。

 

刑に服している最中の人や、執行猶予中で刑の執行を受ける可能性がある人が法人の役員や事業所の管理者になっている場合、欠格事由にあたります。
当然、その状態では指定は取れません。

 

指定が下りて事業所を開設してから、欠格事由に該当したら?

事業所の指定申請・開設した時点では欠格事由に該当しなかった。

しかしその後、役員や管理者がプライベートなどで罪を犯してしまい、欠格事由に該当することになったらどうなるのでしょうか。

 

障害者総合支援法第50条にこのような規定があります。

都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定障害福祉サービス事業者に係る第二十九条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。

一 指定障害福祉サービス事業者が、第三十六条第三項第四号から第五号の二まで、第十二号又は第十三号のいずれかに該当するに至ったとき。(以下略)

先ほど引用した「第36条第3項第4号」に該当する場合には、「指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる」とされています。

 

指定取り消しになる可能性はありえると思います。

ただし、必ずしも指定取り消しになるかというとわかりません。

「指定を取り消し、… することが『できる』」となっているからです。

ここは指定権者の裁量によって結果が違ってくると思います。

 

刑が確定した後すぐに、役員が退任や管理者を変更した場合は取消しを回避できるのでしょうか。

それとも指定取り消しとまでならなくても、一定期間の営業停止と言われるのでしょうか。

残念ながら、明確なお答えができません。

このような機会に遭遇したことが私はありません。

 

処分例としては、ありえます

各自治体が公表している処分事例を見てみると、実際にこれが原因で指定取り消しとなった事業所が存在します。

その中に、法人代表と管理者の2人が「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者等の指定の欠格事由に該当するに至ったため」に指定取り消しとなった実例があります。

公表資料には詳しい罪名などは書かれていないので、経緯はわかりません。

 

万が一、不祥事が起きてしまったらどうすべきか

すみません、軽々にどうすればいいとは言えません。

前述の指定取り消し処分例では、欠格事由に該当したことを指定権者がどのような経緯で知ったのかはわかりません。

また罪名もわかりません。

発覚してしまったのか、内部告発なのか、事業者から素直に申し出てそうなったのか、なんとも言えません。

ただ指定権者の裁量によるものであるならば、悪質に隠し通して発覚してしまった場合と、事業者から素直に申し出た場合の結果が、必ずしも同じとは言えないかもしれません。

 

指定が取り消されることにより、一番の被害を被るのは事業者ではなく、そこを終の住処や日中の居場所としている利用者です。

そのことを常に念頭に置き、コンプライアンスを意識した誠実な経営を心がけていただきたいと願っています。

 

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