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訪問看護ステーションが相談支援事業所を立ち上げようと思ったらどうすればいい?後編

訪問看護と相談支援事業所

こちらの記事の続きになります。

訪問看護ステーションが相談支援事業所を立ち上げようと思ったらどうすればいい?前編

特定相談支援事業所と障害児相談支援事業所の指定申請は、各市区町村に対して行います。

ここでは江戸川区の手引きを参考に、解説したいと思います。

 

申請書類の提出の締め切り

指定を受けようとする月の2か月前の末日までです。

相談支援事業所の「指定日」=「開設日」と考えてください。

指定日は必ず月の初日、1日(ついたち)になります。

15日とか月末がいい、とこちらが決めることができません。

ですので、2024年1月1日に指定を取りたければ、2023年11月30日が締め切りです。

締め切り日が閉庁日の場合は、直前の開庁日が締め切りになりますので締め切りが早まります。

 

江戸川区の場合は申請書を持参することになりますが、指定権者によっては郵送でOKなところもあります。

いきなり持って行かず、必ず予約を取ってください。

申請書を受理してもらう締め切りが2か月前の末日なので、不備があり一発OKとならないことも考えて日程には余裕をもっていきましょう。

 

指定の要件

訪問看護をされていれば法人格はおもちなので問題がないと思いますが、相談支援事業所の申請者も法人である必要があります。

特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所の基準の根拠は以下の省令です。

・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準

・児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準

 

人員配置

①管理者(1名):事業所ごとに、専従の管理者を置く必要があります。(資格要件なし)

ただし事業の管理に支障がない場合は、当該事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができます。

②相談支援専門員(1名):事業所ごとに専従の相談支援専門員を置く必要があります。(資格要件あり)

ただし、事業に支障がない場合は、当該事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができます。

※専従とは、原則として、サービス提供時間帯を通じてこの職務以外に従事しないことを言い、常勤・非常勤は問いません、

 

特定相談支援事業所と障害児相談支援事業所には、それぞれ管理者と相談支援専門員が必要です。

そうすると特定と障害児、両方の事業所を立ち上げるとなると4人必要でしょうか?

 

4人も必要ではなく、ただし書きにあるように事業に支障がなければ兼務ができます。

この場合、特定相談支援事業所と障害児相談支援事業所の管理者、相談支援専門員のそれぞれを1人で兼務することができます。

ですので、1人4役できるので、相談支援専門員になれる方が1人いれば人員配置は満たします。

 

兼務について注意

すでに訪問看護の管理者となっている方が、さらにこの1人4役を兼務できるかは、指定権者に確認が必要です。

それは相談支援事業所の指定権者、訪問看護の指定権者、それぞれに確認が必要です。

すでに取られている訪問看護の指定は、相談支援事業所の指定を取る前の要件でクリアしているはずです。

あとから相談支援事業所の指定を取ることで訪問看護の指定要件に抵触しないよう、十分注意してください。

 

相談支援専門員の資格要件は?

実務経験+相談支援従事者研修の受講が必要です。

実務経験

相談支援専門員の実務要件

上記のリンクを参考にしてください。

実務経験は持っている資格により、3年、5年、10年以上必要になります。

1年の実務経験とは、1年のうちに業務に従事した期間が通算して180日以上であることです。

 

相談支援従事者研修

都道府県が実施する「相談支援従事者初任者研修」の受講が必要です。

この研修は、東京都では今のところ年1回のチャンスです。

合計7日間にわたる全日程を修了する必要があります。

サビ管基礎研修に含まれる相談支援従事者研修では足りません。

サビ菅基礎研修で受講する相談支援従事者初任者研修と相談支援専門員になるための研修の違いとは?

この研修受講の効果を持続させるためには、「相談支援従事者現任研修」を5年に1回受講し続けなればなりません。

1度研修を受ければいいわけではありません。

 

設備基準

事業を行うために必要な広さの区画を有するとともに、相談支援の提供上必要な設備と備品を備える必要があります。

訪問看護の事業所と兼用する場合、パーティションなどで相談支援を行うための区画とわけることを求められるでしょう。

必要なものの代表として事務所、受付等のスペースの確保、机やいす、パソコン、電話、鍵付き書庫などです。

通所系の施設と違うので明確な広さ基準があるわけではありませんが、あまりに狭すぎるなどプライバシーが守られずNGとなるでしょう。

設備や備品は、訪問看護と相談支援事業所で兼用することも認められますが、鍵付き書庫やパソコンなどは指定権者の判断によります。

しっかり事前に確認しましょう。

 

定款の変更

相談支援事業所を開始するにあたり、定款及び登記事項証明書に一定の目的を入れる必要があります。

入っていなければ定款変更をしなければなりません。

  • 障害者の日常及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく特定相談支援事業」
  • 「児童福祉法に基づく障害児相談支援事業」

障害者の日常及び社会生活を総合的に支援するための法律」を「障害者総合支援法」と略しても問題がないかは、やはり指定権者に確認した方がいいでしょう。

 

訪問看護事業所が相談支援事業所の指定を追加で取るのに気を付けたいこと

この記事の中でも書いてきましたが、新しく相談支援事業所の指定を取るにあたっては、すでに指定を取っている訪問看護事業所の指定要件に抵触しないかをしっかり確認してください。

同じ施設を使う場合では設備要件で、職務を兼務させる場合には人員要件で、訪問看護事業所の指定要件を満たさないことにならないように。

また、今回書いた記事は一例で、指定権者によっては解釈が違う場合があります。

A区ではOKとなっている要件が、B区ではNGとなる可能性は十分あります。

また、時期によっても解釈が変わる可能性があります。

そのあたりをしっかりチェックしてくださいね。

 

私がお手伝いしたいお客様

私は、障害者福祉施設を運営している経営者の方を応援しています。

今回の記事の内容すら「知らなかった!」というまだ経験の浅い方。

私が伴走していくので、いっしょにがんばっていきませんか?

 

「施設を立ち上げたばかりで右も左もわからない。」

「現場にも出るし、事務仕事もやらなきゃいけない。」

「事務員さんを雇うには人件費が足りない。」

 

私に丸投げではなく、あくまで伴走です。

私もまだまだ勉強中の身です。

経営者様もいっしょに理解を深めていきましょう。

 

「運営について誰にも相談できない」

「孤独だな」

「わかってくれる人がいないかな」

そんな経営者様がいらっしゃいましたら、私にできるお手伝いをさせてください。

 

お問い合わせ

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