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10.182022
相続って何をするのか?
目次
家族が亡くなった人にとって、その人が身近であればあるほど悲しみは深くなります。
そして身近であればあるほど、やらなければならないことは多いです。
お葬式はもちろんのこと、そのあと相続手続が待っています。
私の父が亡くなったとき、私はまだ行政書士受験生でした。
父は以前から施設に入所しており、家族の覚悟はある程度できていました。
が、しかし。
それでも実際亡くなったときはどうすればよいのかわかりませんでした。
被相続人の死亡
被相続人とは、亡くなった人、遺産をもっていた人のことを言います。
その遺産を引き継ぐ人が相続人です。
離れていたために、父の死に目には会えませんでした。
何年も1人で父のサポートをしてくれていた母に負担をかけないよう、私はすぐに動きました。
実は、数か月前から食事ものどを通らずドクターからも長くはないと言われていたため、葬儀についても具体的に考えていました。
コロナ禍でもあったので、うちの場合は直葬を選びました。
お通夜や告別式をせずに火葬場に行くことです。
亡くなった施設から、事前に打ち合わせていた葬儀屋で父を安置してもらいました。
(葬儀はしないけれども、遺体の安置や火葬場へ運んでもらうために葬儀屋は利用しました。)
私が東京から実家のある兵庫に帰るまでに、母が死亡届などの役所周りをしてくれました。
そして、火葬場の予約。
父は、自分で温室を建てるほど洋ランが好きな人でした。
私は、事前に予約しておいた両手いっぱいの洋ランをもって火葬場に向かいました。
自宅に父を連れて帰ってこられない申し訳なさの代わりに。
これには、母がいたく感動してくれました。
自分には思いつかなかったと。
そのたくさんの洋ランと共に、父を見送りました。
遺産や債務の状況の確認
財産は母の管理下にあったので、予想外の債務などはありませんでした。
しかも、施設に入っていたので通帳はほとんど解約して整理され、公共料金の引き落としなどもすべて母名義に変更してもらっていました。
以前にもブログに書きましたが、母は片づけ魔なのでこの辺の行動は早かったです。
そんな中なんとかしなければならなかったのは、実家である不動産の名義変更です。
戸籍で法定相続人の確認
相続人とはこちらのブログに書いています。
住んでいる地域の役所に行って戸籍をとってくる、だけではすまないことが多いです。
この法定相続人を確認するための戸籍は、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が必要です。
被相続人が籍をおいたすべての本籍地の役所から、戸籍を郵送で集めるのです。
父の場合、なぜか母と結婚しても生まれたところの本籍地から変わらなかったので、比較的容易に取ることができました。
生まれたときの本籍地が和歌山県で、そのあと今の実家のある兵庫県に籍をおいたので2か所だけです。
ちなみに私の場合は、生まれたときはその和歌山県で、そのあと兵庫に籍をおき、今結婚したので3か所になります。
これが多ければ多いほど大変です。
ドラマではここで隠し子が出てくるのでしょうか。
この戸籍を調べた結果、父の相続人は私たちが認識していた相続人と同じで問題はありませんでした。
遺言書の有無の確認
うちの場合は、遺言書はありませんでした。
自筆証書遺言も公正証書遺言も。
被相続人が「遺言書を残している」と話していた場合。
自筆証書遺言だと仏壇やたんすの中にあることが多いと言います。
公正証書遺言の場合は、原本が公証役場に保管されており、正本や謄本といった控えはやはり本人が持っていることが多いです。
「遺言書がある」と言ったのに家の中で見つからない場合は、法務局での遺言書保管制度の利用の可能性を考えてみたり、公正証書遺言の検索システムを利用して調べてみるのも手です。
中には、銀行の貸金庫に入れている人もいるようです。
自筆証書遺言が自宅でみつかった場合は、検認が必要になります。
少々手間がかかりますので、早めに取りかかったほうがいいです。
公正証書遺言や法務局での遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言の場合は、検認は不要です。
裁判所:遺言書の検認
相続手続はいつまでにやらないといけないのか
「相続手続が終わっていないですね?ハイ、罰金が科されます。」なんてことはありませんが。
しかし知らないと不利益を被る可能性があるので、早めにやったほうがいいと言えます。
相続放棄
相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てしなければいけません。
相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになります。
相続放棄と相続分の放棄についてはこちらのブログに書いています。
相続税の申告
相続税の申告や納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
放っておくと、延滞税や利子税がつくので高額になってしまいます。
遺留分侵害額請求
遺言書が残されていた場合に関係してきます。
遺産は、遺言書があれば基本はそのとおりに相続されます。
しかし、兄弟姉妹をのぞいた相続人には、遺留分という遺言書でも奪えない相続分があるのです。
それを侵害した遺言書が書かれていた場合、その侵害分を取り返せる権利です。
その権利が、一定期間で時効消滅します。
こちらは相続の開始(被相続人の死亡)+遺留分侵害の事実を知ったときから1年です。
遺留分侵害の事実を知らなったとしても、相続が開始してから10年でこの権利はなくなります。
わりと早いので注意が必要です。
生命保険金の請求
保険法により、保険金給付を請求する権利は、3年間行使されない場合は時効によって消滅するとなっています。
次は、実際自宅の相続手続をどうやったのかを書いていきます。