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法定相続情報一覧図とはただの家系図のことなのか?

相続情報証明制度

法定相続情報一覧図という言葉を知っていますか?

自分のご家族が亡くなって相続手続きをされた方の中には「相続情報一覧図」という言葉を見聞きされた方もいらっしゃるでしょう。

機会があって利用された方。

よくわからないので特に利用されなかった方。

本来利用していればかなり助かったであろう方。

いろいろいらっしゃると思います。

当事務所でも業務として扱っていますので、詳しくご説明したいと思います。

 

「相続情報一覧図」とは

亡くなった人のことを「被相続人」と言います。

あなたが亡くなれば、あなたが「被相続人」です。

そしてあなたにご家族がいれば、そのご家族があなたの相続財産を受け取れる「相続人」となります。

この相続情報一覧図とは、被相続人の相続財産を受け取れる法律上の相続人が誰か、ということがわかる家系図です。

家系図と言いましたが、相続人でない方を載せることはありません。

 

あなたにお子さんがいて、そのお子さんがすでにご結婚されている場合。

あなたが亡くなってあなたの相続情報一覧図を作成した場合、相続人であるあなたのお子さんは載せますが、お子さんの配偶者は相続人でないので載せません。

一般的に家系図と呼ばれているものは、相続人でない方も載せることが普通でしょう。

 

相続情報一覧図はどのように作成していくのか

被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めます。

その戸籍を読み解いて、相続人になる方をピックアップしていくのです。

ここで立ちはだかるハードルが2つ。

 

戸籍を集めるのが大変

本籍地で戸籍を取りますが、本籍地を転々としている人、また結婚離婚を繰り返している人はその分取得する戸籍が増えます。

本籍地は住民票の住所とはまた別物です。

生まれてこの方本籍地を動かしたことがない、という方は1か所ですべて取得することができるので簡単でしょう。

 

また令和6年3月から「広域交付」の制度が始まりました。

本籍地以外の戸籍でも取りやすくなる?戸籍法改正で便利になるのか?前編

本籍地以外の戸籍でも取りやすくなる?戸籍法改正で便利になるのか?後編

詳細はこちらに記載していますが、簡単に言うとどこの本籍地の戸籍でも最寄りの役所で丸っと取得できるようになった制度です。

こちらを利用できる場合は、比較的簡単に取得できるかもしれません。

ただし、取得する人からみて被相続人が直系尊属(父母・祖父母など)や卑属(子・孫・ひ孫など)ではなく兄弟姉妹の戸籍を取得する場合は、この広域交付の利用にかかわらず戸籍は取得しづらいです。

 

戸籍を読み解くのが大変

「これで出生から死亡までの戸籍がそろっていますよ」と役所が出してくれたとしても、相続人が誰になるかまでは教えてくれません。

ときには何枚にもなる戸籍をたどっていく作業が必要です。

たどり方をご存じの方は問題ないですが、おそらくその作業に慣れている方は少ないと思います。

そして読み解くにしても、手書き時代の戸籍は筆記クセもありなかなか苦労します。

字がつぶれていたり、「象形文字か?」みたいな文字に巡り合ったりすることもしばしば。

相続人が大体どの人であるかわかっているとは思いますが、思いもよらない全く知らない人が相続人として存在することもあるのです。

 

法務局の法定相続情報証明制度を利用しよう

銀行などで相続手続きをやる上で「被相続人の出生から死亡までの戸籍を提出してください」と言われることがほとんどです。

その際に、先ほど集めた戸籍の束を持って手続きを行います。

おそらく相続手続きが即日完了することは少ないでしょう。

その間、やはり戸籍の束が必要な他の相続手続きはストップすることになります。

 

では戸籍の束を1通ずつではなく、何通か複数枚取っておくとしましょう。

枚数が多ければ多いほど手数料がかさみます。

普通の戸籍謄本なら1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本は1通750円もします。

(2025年1月現在江戸川区の場合)

これを複数枚取得するとなると戸籍代だけで費用がかさみます。

 

この問題を解決するために、作成した相続情報一覧図を使って、法務局の証明制度を利用しましょう。

戸籍の束と必要書類、そして作成した相続情報一覧図を管轄の法務局に提出します。

すると偽造防止措置の施されたA4の専用紙に、一覧図と登記官のハンコ等が印刷された紙を作成してくれます。

法定相続情報一覧図

引用:宇都宮地方法務局のサイトより

 

このようなイメージのものです。(実際の紙の色とは違います)

このA4の紙1枚で戸籍の束の代わりになります。

被相続人に対する法定相続人が誰であるかが一目でわかるのです。

これがあれば戸籍の枚数が多い場合でも相続手続きをする相続人も手軽になりますし、なにより金融機関などの提出先の処理も楽になるはずです。

 

被相続人との関係を示す書類はいたる手続きで求められます。

その際、この紙があるととても重宝します。

これは希望する枚数を何枚でも無料で作成してくれます。

 

当事務所のサポート

平日役所に行けないため戸籍の収集ができない方や、広域交付を利用しても集めきれなかった戸籍がある場合、当事務所が代わって収集します。

また、戸籍がそろっているけれど法務局の法定相続情報証明制度の申し出ができない方、代理人としてその業務を行います。

報酬額はこちらになります。

ご不明点等はお尋ねください。

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