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5.112023
福祉専門職員配置等加算の常勤の考え方や計算方法について
目次
GWも終わり、次の連休がある7月までは長いなと憂鬱になるこの時期。
そして、自動車税などの通知書も届き始めます。
気候はいいのに、気持ちのアップする要素が少ない時期ではないでしょうか。
GWはバイクで少し遠出をしました。
筑波山まで。
近くの散歩道では、カモのひなもおります。
毎日のようにシニアパトロール隊が見守っているようです。
福祉専門職員配置等加算とはなんぞや?
こちらは事前の届出が必要で、良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて加算されます。
(加算等の事前届出は、加算をとろうとする月の前月の15日までに必要です。
例:令和5年6月から新規取得したい場合→令和5年5月15日までに届出します。)
そしてやっかいなのは、特定処遇改善加算と連動しているということです。
特定処遇改善加算(Ⅰ)を算定しようと思ったら、この加算をとっていなければなりません。
(※特定処遇改善加算(Ⅰ)を算定する要件は、これだけではありません。)
ですので、職員が退職するなどしてこの加算がとれなくなると、より加算率の低い特定処遇改善加算(Ⅱ)しか算定できません。
この点、注意が必要です。
今回は、就労移行支援と、就労継続支援A型B型を例に書いていきますね。
そもそも常勤の考え方は?
先に基本をおさらいしておきましょう。
雇用形態が「正社員」や「パート、アルバイト」は関係ありません。
事業所では「常勤の勤務すべき時間」が決められています。
週32時間から40時間です。
(32時間未満の事業所の場合は、32時間を「常勤の勤務すべき時間」と考えます。)
勤務時間がその時間に達しているかどうかで判断します。
例:「常勤の勤務すべき時間」が40時間の場合。
雇用形態がパートでも、勤務時間が40時間に達していれば常勤職員。
雇用形態が正社員でも、40時間に達していなければ非常勤職員になります。
福祉専門職員配置等加算の「常勤」の判断
以下の説明は、横浜市の手引きを参考にしています。
「常勤の勤務すべき時間」は40時間とします。
ケース1)難波さんという人が、2事業所(A事業所とB事業所)に勤務しているとします。
例1
難波さんがA事業所で週25時間、B事業所で週15時間勤務
→A事業所のみが、福祉専門職員配置等加算の算定対象となります。
例2
難波さんがどちらの事業所も同じ時間勤務(20時間ずつ)
→どちらか一方の事業所のみが、福祉専門職員配置等加算の算定対象となります。
どちらにせよ、両方の事業所で算定はできません。
ケース2)難波さんという人が、ある事業所で2人目のサビ管と直接処遇職員とを兼務しているとします。
例3
難波さんが直接処遇職員として30時間、2人目のサビ管として10時間勤務
→福祉専門職員配置等加算を算定できます。
例4
難波さんが直接処遇職員として20時間、2人目のサビ管として20時間勤務
→福祉専門職員配置等加算を算定できません。
※1週間の勤務時間の2分の1を「超えて」勤務しないと算定できません。
福祉専門職員配置等加算をとるのに注目すべき点
- 特定の資格をもっている人がどのくらいいるか
- 常勤職員がどのくらいいるか
- 勤続3年以上の職員がどのくらいいるか
特定の資格をもっている人がどのくらいいるか
常勤の職員のうち、この特定の資格をもっている人がどのくらいいるかで判断されます。
「常勤の職員」とは、常勤であれば誰でもとはなりません。
この表の職員だけが、福祉専門職員配置等加算での「常勤の職員」と考えられます。
事業所 | 福祉専門職員配置等加算での
「常勤の職員」 |
就労移行支援 | 職業指導員
生活支援員 就労支援員 |
就労継続支援A型B型 | 職業指導員
生活支援員 ※目標工賃達成指導員は含みません |
「特定の資格」とは、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師です。
就労移行支援と就労継続支援以外では、作業療法士は特定の資格とみなされません。
「常勤の職員」のうち「特定の資格」を持っている人が35%以上の事業所
→福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)を算定
「常勤の職員」のうち「特定の資格」を持っている人が25%以上の事業所
→福祉専門職員配置等加算(Ⅱ)を算定
ケース3)常勤職員3人(職業指導員1名、生活支援員1名、目標達成指導員1名)が勤務している就労継続支援B型事業所
例5
「特定の資格」を職業指導員1名がもっている場合
「常勤の職員(職業指導員と生活支援員の2名が該当)」のうち「特定の資格」を持っているのは50%
→福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)を算定できます。
例6
「特定の資格」を目標達成指導員1名がもっている場合
「常勤の職員(職業指導員と生活支援員が該当の2名が該当)」のうち「特定の資格」を持っているのは0%
→福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)とも算定できません。
常勤職員がどのくらいいるか
ここからは、福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)の算定要件です。
「直接処遇職員(非常勤も含む)のうち、常勤職員が75%以上」いれば福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)が算定できます。
直接処遇職員とは、以下のような職種です。
直接処遇職員とは「生活指導員・生活支援員」、「就労支援員」、「職業指導員」、「地域移行支援員」、「ホームヘルパー」、「児童指導員・保育士」、「世話人」のことを言う。
(厚生労働省サイトより)
現に、事業所に雇用され、利用者(障がい児・者)の支援に直接従事している方です(常勤・非常勤は問いません)
(熊本県のQ&Aサイトより)
単純に、常勤3人と非常勤1人の直接処遇職員が4人いる場合に、4人のうち常勤は3人だから75%に達してる、という考え方はまちがいです。
「常勤換算した」直接処遇職員の人数のうち、常勤の人が75%に達している場合にこの加算が算定できます。
例7
直接処遇職員が、常勤2人と、週に20時間勤務する非常勤2人の合計4人いる。
(「常勤の勤務すべき時間」は40時間とします)
常勤2人を常勤換算すると2.0人。
非常勤2人を常勤換算すると0.5人が2人いるので、合わせて1.0人。
常勤換算した合計3.0人のうち、常勤は2人なので「2÷3.0≒66%」で75%には達しません。
よって福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)は算定できません。
例8
直接処遇職員が、常勤2人と、週に10時間勤務する非常勤2人の合計4人いる。
(「常勤の勤務すべき時間」は40時間とします)
常勤2人を常勤換算すると2.0人。
非常勤2人を常勤換算すると0.25人が2人いるので、合わせて0.5人。
常勤換算した合計2.5人のうち、常勤は2人なので「2÷2.5=80%」で75%に達し、福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)を算定できます。
勤続3年以上の職員がどのくらいいるか
こちらも福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)の算定要件です。
前項と考え方は同じです。
「常勤換算した」直接処遇職員の人数のうち、勤続3年以上の常勤が30%に達している場合に、この加算が算定できます。
さて「勤続3年以上」の考え方ですが、この3年間は直接処遇職員として常勤である必要があります。
ですから間に事務だけを行っていた期間があるなどの場合、その期間は3年間に含めることはできません。
また、育児休暇などの休職期間があっても、勤務した期間の合計が3年以上に達していれば「勤続3年」と認められます。
そして当該事業所における勤続年数だけではなく、同一法人が経営する福祉関係施設等においての勤務の年数も含めることができます。
まとめ
かなり長くなってしまいましたが、福祉専門職員配置等加算ひとつをとってもこんなに複雑な制度なんですね。
福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定するには、特定の資格をもっている人が必要。
福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)を算定するには、その事業所により長く携わる職員を増やすことが必要です。
この加算は取りやすい加算であると思いますので、しっかり理解をして取っていってほしいと思います。
解釈は指定権者により異なる部分もあると思いますので、確認をしてくださいね。
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