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9.142022
共同生活援助(グループホーム)のお金にまつわること
目次
共同生活援助(グループホーム)の売り上げの考え方
令和3年度報酬改定の算定基準は以下のとおりです。
「イ 共同生活援助サービス費(Ⅰ)」の(4:1)の意味は、利用者4人に対して世話人を1人配置した場合の報酬額です。
「ロ 共同生活援助サービス費(Ⅱ)」や「ハ 共同生活援助サービス費(Ⅲ)」に比べ一番手厚い人員配置となるため、報酬単価も高くなります。
「区分」は利用者の障害区分のことです。
「区分なし」から「区分6」の7段階にわけられており、数字が大きくなるほど、障がいが重く、多くの支援が必要であることを示しています。
例えば、「ハ 共同生活援助サービス費(Ⅲ)」において、支援区分1以下の利用者が6人の場合、
170単位×10円(この金額は下図による)×30日×6人=306,000円
グループホームの場所が何級地に当たるのかはこちら
都心部になればなるほど、地域区分の報酬単価は10円より高くなります。
ですが、都心部になればなるほど、グループホームのための物件は高くなります。
購入するにしても、賃貸するにしても高額になっていきます。
ですから、どこで運営するかはバランスを見極める必要があり、2つ以上の施設で運営するのが一般的のようです。
グループホームの家賃設定
グループホームというのは生活の場を提供する事業なので、利便性がよい場所にあることが求められます。
あなた自身が住むことを考えても、やはり不便な場所は避けるはずです。
グループホームとしての物件は、購入する場合と、賃貸する場合があります。
当たり前ですが、どちらにも費用はかかります。
その費用を利用者に求めることができるのは、直接利用者の便益を向上させるものであり、その支払いを求めることが適当であるものに限るとされています。
(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準第18条1項より)
ですから、利用者に対して家賃の請求は可能ですが、自由に決めてよいというわけでもないのです。
建物を賃貸している場合
賃料 ÷ 定員
利用者たちが負担する賃料の合計が、施設の運営者と大家さんとの賃貸借契約金額を超えることは許されません。
施設の中に職員のみが利用する区画(事務室や仮眠室)があれば、この区画の家賃は利用者に請求できないとされています。
例外的に、家賃に別途上乗せして金額を設定する場合は、支払いを求める合理的な理由を記載して申請時に提出する必要があります。
建物を購入した場合
まず、土地代は含まれず、建物代だけが家賃として請求できる点に注意してください。
購入金額÷((耐用年数ー築年数)×12)÷定員
かつ、同条件の賃貸物件の近隣相場と乖離していない金額の設定が必要です。
築年数が古い、またはリノベーションが必要な場合は
その金額を追加して計算することもできます。
ですがこちらも合理的な理由がないと認められず、設定する理由として不十分とされた場合は、認められないこともあります。
利用者に対しての家賃助成
グループホームの利用者1名あたり月額1万円を上限に、補足給付があります。
年齢制限はなく、グループホームを利用している限り給付されます。
補足給付額
家賃が1万円未満の場合=実費
家賃が1万円以上の場合=1万円
厚生労働省のサイトはこちら
注意しなければならないのは、光熱費や日用品費、そのほかの日常生活費などの家賃以外の部分については助成対象とならないことです。
また、生活保護又は低所得の世帯の利用者に限られます。
障害区分によって左右されることはありません。
敷金、管理費、入居一時金、修繕積立費など
高齢者の老人ホームでは、入居一時金が必要になりますが、グループホームでは請求することはできません。
管理費も同じです。
敷金や修繕積立費に関しては、指定権者によって見解が分かれます。
敷金返還のルールや、修繕積立費の管理、積立金の使用目的が明確になっていることが必要です。
また、そういった内容を文書であらかじめ説明をし、同意を得ておかなければなりません。
グループホームの現状
自分の周りだけなのか、グループホームをあまり見かけません。
しかし、年々事業所数、利用者数は増加しています。
参照元
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000670104.pdf
グループホームの中の介護サービス包括型は、障害福祉サービス等全体の総費用額の8.1%を占めています。
同じグループホームでも、外部サービス利用型は0.5%、日中サービス支援型は0.2%です。
参照元「障害福祉サービス等におけるサービス種類別にみた総費用額及び構成割合」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000733750.pdf
就労継続支援B型が総費用額の第3位となっています。
利用者の生活の場であるグループホームと、職場となる就労継続支援B型を並行して運営するのもいいのかもしれません。