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江戸川区で相続による車の名義変更。平日に車の持ち込みができないがどうしたらいい?

車を所有されている方ならご存じの車検証。

2023年からは、大きさがA4サイズから4分の1のA6サイズになり、ICタグが搭載されました。

情報がICタグに入っており、専用アプリで読み取ります。

ですので、車検証の紙面上では一見してわかる情報が少なくなりました。

 

所有者の変更が必要な場合

車検証には「所有者」なる欄があります。

これはご存じの通り、当該車両が誰のものであるかを示しています。

他の誰かに譲り渡したり、廃車したりはこの所有者の判断で行われることになります。

 

所有者を別の人に変える手続きのことを「移転登録」と呼びます。

その移転登録が必要になるケースは、

  • 車を譲渡したとき
  • 所有者が死亡したとき

が多いかと思います。

 

「車の譲渡」とは、売ったり誰かにあげるといったケースが該当します。

新しい車に乗り換える場合に今の車を下取りに出す場合。

また、子供が免許を取ったので車を譲る場合、など。

 

次に「所有者が死亡したとき」とは、相続が発生したときになります。

 

一般的に相続手続きをする際、不動産がからむケースで司法書士に一任することがあります。

不動産の名義変更(相続登記)は司法書士のお仕事だからです。

 

ですが、車の名義変更となるとどうすればいいのか?と悩みます。

インターネットで調べたら、平日に運輸支局で手続きをしなければならないと知ります。

「仕事が休めないんだけど?」

 

さらに管轄が変わればナンバーも変更しないといけないといけません。

すると車を運転して運輸支局に持ち込む必要があります。

「奥さんに頼もうと思ったけど、運転して運輸支局まで行けない…」

 

困った。

とご相談をいただくケースがあります。

 

相続により移転登録する場合の必要書類

必要書類はいろいろありますが、譲渡では譲渡証明書が必要になります。

誰から誰に譲渡するのかを証する書類で、実印を押す必要があります。

実印を押すので印鑑証明書も必要です。

 

一方相続の場合には「誰に」の「誰」は存在しますが、「誰から」の「誰」はもう存在しません。

相続によるということは、死亡しているからです。

ということは、実印も印鑑証明書も存在しません。

なので相続としての手続きが必要になります。

 

譲渡証明書に代わるものとして以下の書類が必要です。

  1. 遺産分割協議書
  2. 現所有者の死亡がわかる戸籍謄本
  3. 相続人の全員がわかる戸籍謄本

 

遺産分割協議書

相続人全員で車の所有者を誰にするかを相談します。

その結果を記載したものが遺産分割協議書です。

こちらにはすべての相続人が実印を押す必要があります。

実印を押すということは、印鑑証明書の添付が必要ですが、新所有者となる相続人のものだけで足ります。

※車以外の相続手続きでは、通常相続人全員の印鑑証明書が必要ですので注意です。

 

現所有者の死亡がわかる戸籍謄本

死亡届を役所に出すことで戸籍に死亡した旨が記載されます。

記載されるまでに日数を要するので、戸籍謄本を取得するタイミングは注意です。

記載例は以下の通り。

 

相続人の全員がわかる戸籍謄本

親が死亡して子供の誰かが相続するケースでは、戸籍謄本が上記のものと併せて1部で済むケースがあります。

親の戸籍謄本を取った際に、子供たちが載っている場合もあるからです。

子供たちが結婚して親の戸籍から抜けていて、それぞれに「除籍」の記載があるものでも大丈夫です。

※車以外の相続手続きでは、取得する戸籍謄本が違ってきますので注意です。

 

以上が相続場合の移転登録のスタンダードです。

しかし、相続する車の査定額が100万円以下の場合に限ってはもう少し簡素な書類ですみます。

 

査定額が100万円以下の車の場合

  1. 査定書
  2. 遺産分割協議成立申立書
  3. 現所有者の死亡がわかる戸籍謄本
  4. 新所有者が相続人であることがわかる戸籍謄本

 

査定書

ディーラーなどで査定して発行してもらうことができます。

これにより100万円以下の価値である車と判断してもらうことができます。

 

遺産分割協議成立申立書

先ほどの「遺産分割協議書」とは別のものですので、注意してください。

遺産分割協議書ではなくこちらを提出するメリットは、実印の押印が相続人全員ではなく新所有者だけですむことです。

もちろん、きちんと遺産分割協議が終わっていることが大前提です。

その点がしっかりしていないと、後々トラブルになる可能性があります。

 

新所有者だけの実印ですみますが、査定書を取る手間や費用はかかります。

それを天秤にかけて、遺産分割協議書での手続きとどちらがいいかお考えください。

 

残りの3と4の戸籍謄本については既に書いた内容と同じです。

 

注意点

この記事で書いたケースは、足立自動車検査登録事務所での移転登録のケースです。

別の地域ではローカルルールがあり必要書類の範囲が違ってくる可能性がありますのでご注意ください。

また、自動車の相続手続きはかなり簡素化されています。

預貯金や不動産の相続手続きに必要な書類とは異なってきますので、こちらもご注意ください。

 

車を持ち込まずともナンバー変更までできます

当事務所では出張封印に対応しております。

本来であれば、ナンバーが変更になる場合は車を運輸支局まで持ち込まないといけません。

出張封印とは、行政書士が運輸支局で手続きをすませてナンバーを預かり、お客様の車庫でナンバー取付ができる制度です。

平日に手続きができない、また車を持ち込むことができない場合はご相談ください。

今回は相続による移転登録に焦点をあてましたが、譲渡による移転登録手続きも承っております。

 

料金についてはこちらをご参照ください。

お問い合わせはこちらからどうぞ。

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