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11.262023
「今から備える終活~葬儀・墓じまい・遺言書」という勉強会に参加してきました
一気に寒くなってきた11月終わり。
その前に、とうきょう成年後見研究会が主催する勉強会に参加してきました。
人の講演会やセミナーに参加するのはいろんな意味で勉強になります。
もちろん内容もそうなのですが、話し方や話題のチョイスなど、セミナーをする立場としても勉強になります。
セミナーで学んだこと、私の実体験も含めながら書いていきます。
葬儀について
様々な葬儀の形があります。
私の父が亡くなったときはコロナ渦ということもあり、病院から直葬にしました。
通夜も葬儀もしませんでした。
死亡確認がなされると、病院からは遺体をすぐにでも引き取るよう言われます。
葬儀屋に事前に連絡を取っておいて、葬儀屋に数日安置。
火葬場の状況にもよりますので、そのあたりは葬儀屋におまかせしました。
不謹慎かもしれませんが、父がもう長くないと感じた時に葬儀社選びをしていたのです。
決めた葬儀社とは事前に打ち合わせを済ませ、死亡後にすぐ対応してもらえるよう手配していました。
セミナーでも話されていましたが、一番困るのは病院からすぐに引き取りを言われることです。
悲しんでいる暇もほとんどありませんでした。
遺体をどこからどこへ運ぶのか
亡くなるのは病院が多いかと思います。
父の場合は、病院→葬儀屋の安置所→火葬場でした。
しかし、夫の父、義父が亡くなったときには勝手が違っていました。
もちろん葬儀をやるということもあったのですが、いったん家に連れて帰りたいという家族の意向があったのです。
長く住んだ家から旅立たせてあげたいという思いです。
葬儀屋さんは、病院から自社の安置所に運ぶならいいのですが、家に連れて帰るとなると余分な手間になります。
結果、病院が手配してくれた葬儀屋ではそれに対応していないので、自分たちで探してほしいとのこと。
2時間ほどでベッドを明け渡してほしいと言われました。
時刻、夜中0時。
義父の場合は葬儀屋なども決めてなかったので大変でした。
日曜の夜中ということもあり、本当に悲しんでいる暇がないほどすぐに葬儀屋の手配に追われました。
この時、葬儀屋の契約をしていなくても、対応してくれる葬儀屋の候補は決めておくといいそうです。
いくつか候補をもっているだけで、あとは葬儀屋さんがほとんどやってくれます。
家族は意思決定をするだけでいいのです。
今は多くの葬儀屋が乱立しています。
葬儀屋を決めるのは担当者と会ったり、または葬儀屋に足を運んで雰囲気を感じるのがいいようです。
電話やネットではなんとでもごまかしがきくため、あとで後悔する葬儀になりかねません。
緊急でものごとを決めなければならないため、料金だけ高くて質が伴わないものもあるでしょう。
そういったことを考えると、本来近しい人がほどなく最期を迎えるタイミングで考えていた方がいいのです。
また、葬儀屋の互助会等に加入している場合は、その契約内容をしっかり把握しておくことです。
積立金以外でかかる費用もあり、トラブルに発展することも多いようなので、要チェックです。
葬儀で必要なもの
遺影写真を選ぶのにわりと時間がかかります。
生前に自身の遺影を準備しておく人もいるでしょう。
きっちりめかしこんで、かしこまった写真。
ご自身ではいいと思って準備したものでも、残された人からすると「誰?」というような余所行きの写真に見える場合も。
そのため結局使われないケースもあるようです。
また、デジタル写真が主流の昨今。
遺影に使えそうな写真はスマホに入っていることも多いです。
スマホのロック解除ができるように伝えておきましょう。
また、現金の準備です。
葬儀屋はカードや振り込みで対応してくれるところも多いと思いますが、お布施は現金のみです。
まとまったお金がいることは頭にあると思いますが、いざとなったらうっかりしないよう、ご準備を。
流行りや料金で葬儀を決めない
「家族葬」で呼べる範囲とはどこまででしょう?
- 一緒に住んでいる家族のみ
- 一部の近い親戚まで
- 最後まで仲が良かった知人
実はこれ、どれも正解だそうです。
「家族葬」という定義はないそうです。
なのでこぢんまりやるつもりで「家族葬」を選んでも結局は普通の葬儀とあまり値段が変わらなかったりします。
葬儀費用で一番高額なのは祭壇だそうです。
そうなると、参列者が数人違っても料金の差は出づらいのかもしれません。
葬儀とは誰のためのものでしょうか。
実は残された人のためだったりします。
残された人が、故人の死を受け入れるための区切り。
そのひとつが葬儀なのだそうです。
だから、お別れを告げる機会を設けるためにも、縁があった人には来てもらってお線香をあげてもらったほうがいいのです。
「グリーフケア」という言葉を聞いたことがありますか?
死別した悲しみを抱える遺族をサポートしていくことを指します。
身近な人が亡くなって、悲嘆にくれたり喪失感でなにも手につかなくなる人もいます。
そういった遺族の苦しみから少しでも立ち直れるようにケアをすることです。
最近、葬儀の簡素化により、このグリーフケアが必要なケースが増えているそうです。
亡くなった人に対する気持ちの折り合いをつけるための葬儀。
それがあっさりしすぎてしまい、悲しい気持ちをもっていく場が少なくなってしまうそうです。
そのために孤独感、絶望感、不安を引き起こし長く苦しむことになります。
もちろん、身の丈に合わない何百万もするような葬儀をする必要はないと思います。
しかし終活によって、亡くなる本人が葬儀の手配や希望を伝えておくケースも増えています。
「自分の葬儀には金をかけなくていい」という思いも残された人に対するひとつの思いやりだと思います。
しかし、残された人のための葬儀であることも、頭の片隅にいれて終活をされることをお勧めします。
これは私にはなかった視点であり、参加したセミナーで一番心に残った講師の一言でありました。
簡単ではありますが、参考になれば幸いです。