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9.262022
丁種(ていしゅ)封印とは
丁種封印という制度があります。
ちなみに「丁種」は「ていしゅ」と読みます。
私は行政書士になりたてのころ、ずっと「ちょうしゅ」だと思っていました。
それを人前でべらべらしゃべっていました。
誰か、早く教えてって思いました…。。。
封印制度とは
普通車の後ろのナンバープレート。
右角には普通のねじが確認できると思います。
左角のところにはねじではなく、10円玉くらいの大きさで、中に文字がひとつ刻まれているシルバーのものがくっついています。
これが封印と呼ばれるものです。
この封印に刻まれている文字は、登録地域の頭文字になっています。
道路運送車両法第11条より
自動車の所有者は、前条の規定による自動車登録番号の通知を受けたときは、当該番号を記載した自動車登録番号標を陸運局長又は第二十六条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、これを当該自動車に取りつけた上、陸運局長の封印の取りつけを受けなければならない
この封印は、自動車の登録が終わり自動車税などの税金も支払い、公道を走ることを許されたことの証となるものです。
誰でも取り付けられるわけではありません。
封印を受託できる者 | |
甲種 | 自動車登録番号標交付代行者(ナンバーセンター) |
乙種 | 型式指定自動車の販売を業とする者(ディーラー) |
丙種 | 日本中古車自動車販売協会連合会の支部 |
丁種 | 行政書士会 |
一般的には陸運局にあるナンバーセンターがナンバーの封印を行います。
そうするには、車両を必ず陸運局まで運び入れる必要があります。
まだナンバープレートがない場合は、公道を自走するわけにはいきません。
そのためには自動車臨時運行許可(仮ナンバー)と呼ばれるものをつけるか、セーフティローダーと呼ばれるトラックの荷台に積載して運び込むしかありません。
費用もかかるし手間だし、めんどくさいし。
もし道中事故にでもあったら…?
そこで、封印代行実施者が交付されたナンバーと封印を持参して、その車両のあるところまで出向き封印の取り付けを行うのです。
陸運局まで車両を持って行くのではなく、資格のある者がナンバーと封印をもって車両のところへ行って取り付けるのです。
なんて合理的。
行政書士が実施するそれを、丁種出張封印と呼びます。
行政書士ならだれでもできるわけではない
私は行政書士ではありますが、今の状態でこの封印ができるわけではありません。
丁種会員にならなければいけません。
この丁種会員になることを希望する者は、事前研修を修了することが必要です。
この研修の内容は、講義と効果測定という考査を受けてそれに合格することを求められます。
私はこの研修をこれから受けることになるのです。
ナンバーを外す作業
昔、20代のころ、車のオークション会場でアルバイトをしていました。
中古車にはナンバーがついている車両とついていない車両がありました。
ときどき、事務局からそのナンバーを外してきてほしいという指示がありました。
さて、どうやって外すと思いますか?
初めてやり方を聞いたときは驚いたのですが、封印の文字が刻印されている上から、ドライバーをそのまま突き刺し貫通させるのです。
無理やりドライバーで封印をやぶり、その奥にあるねじを回すわけです。
こんな簡単に外れるのね、、と。
どうやらこの方法は、今となっては旧タイプとなっているようです。
今は刻印された文字の下中央にマイナスドライバーを突き立てて、てこの原理でめくるように外すそうです。
どちらにせよ、ドライバーが滑って車体を傷つけたら大変なことになります。
車体番号の確認について
この出張封印の作業では、ナンバーを取り付ける車体が間違いないか、車体番号で確認します。
私が昔オークション会場にいたころは、ボンネットを開け、正面あたりに車体番号が刻印されていました。
今は盗難予防や改ざん防止などのために、決まった場所ではなかったり、隠して一見してはわからないようになっているそうです。
ボンネットを開けて正面にはあるが、プラスチックのカバーですぐにはわからないように隠してあったり、運転席のマット部分にもあったりするようです。
さらに外車はわかりづらくなっており、後部座席の下やトランクのマットの下などに隠されているようです。
技術の進歩
「車が好きです」と公言しているだけあって、平均的な女性よりは車のことは知っているつもりです。
ですが、IT技術ほどとは言いませんが、車業界も大きな変化の波が来ています。
私がオークション会場にいたころは15年くらい前になります。
もうひと昔です。
「知っている」と思っていたら足元をすくわれかねません。
効果測定を合格しなければ、丁種会員にはなれないわけですから、しっかりと学び直さなければと思っています。
中古車としてはまだすぐにはなくならないでしょうが、ガソリン車が電気自動車に淘汰されていきます。
そうすると、ボンネットを開けたら全く違う様相になっているのだと思います。
昔の車が好きな者にとってはすこし寂しい気持ちになりますが、技術の躍進とは、今まであった存在を新たなもので置き換えていくものなのだと思います。