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障がい福祉サービスのお金の流れ

障がい福祉サービス

障がい福祉サービスの給付金とは

障がい福祉サービスのお金の流れ

障がい福祉サービスでは、行政の「指定」をとることで給付金を請求できるようになります。

この給付金は税金です。

だから行政が決めたルールにのっとった

運営をすることが求められます。

 

利用者と市区町村

まず、障がい者(障がい児)である利用者が、障がい福祉サービスを利用するため、市区町村に受給者証発行の支給申請を行います。

その申請に対し、市区町村が支給決定をします。

 

利用者と事業所

利用者は、障がい福祉サービス施設(事業所)と契約を行うことでサービスの提供を受けます。

利用者は、利用料を全額事業所に支払うわけではなく、1割、もしくは負担者上限月額までの額を支払います。

この負担額は、利用者や世帯の所得に応じて決定されます。(応能負担の原則)

1割、もしくは負担者上限月額の低い方を負担します。

本人、または世帯所得が高い利用者であっても、全額を自己負担するわけではなく、高くても利用料の1割となるわけです。

生活保護受給世帯や、住民税非課税世帯は自己負担がありません。

 

事業所と国保連

利用者本人からは、利用料の1割しか支払ってもらえません。

残りの利用料は、国保連に請求することになります。

国保連の正式名称は「国民健康保険団体連合会」といいます。

国民健康保険法第83条に基づき、国保の保険者である市区町村及び国民健康保険組合が共同して目的を達成するために設立された公法人です。

この国保連が給付決定を行い、残りの利用料が事業所に支払われることになります。

ですから、障がい福祉サービス施設の運営はこの国保連への請求ができるために、利用料の未収が発生しづらいということになります。

請求支払の流れ.jpg

引用:長野県国民健康保険団体連合会

 

国保連と市区町村

国保連は、事業所から提出された請求情報をもとにして、区町村に給付金の請求を行います。

市区町村はその請求の審査を行い、給付金の支払いを行います。

事業所が国保連に請求をして給付金が実際支払われる期間ですが、事業所が4月に提供したサービスの利用料は、5月の1~10日までに国保連に請求します。

そして実際支払われるのは6月になります。

請求が5月10日までに間に合わなければ支給がさらに遅れていくので注意です。

ですから、通常の商売に例えると、4月に商品を売ったが、その代金は6月にならないと入ってこない、というわけです。

 

給付金算定額

給付金算定額

給付金の計算は、サービスによって異なりますが、大まかな計算式はこのようになります。

 

サービスごとに算定された単位×サービスごと地域ごとに設定された1単位の単価=事業者に支払われるサービス費

 

例えば、「就労継続支援A型」(定員20名以下、7.5:1、評価点が80点以上105点未満)の場合

「1日の利用者の1人当たりの単位数」は527単位です。↓

 

給付金算定額

 

 

事業所の所在地が何級地かは、以下のリンクから調べることができます。

令和3~5年度における地域区分の適用地域

東京都特別区であれば1級地です。

 

1級地で「就労継続支援A型」を下の表で見てみると、11.14円になっています。↓

地域区分の見直しによる報酬1単位単価の見直し

 

 

サービスごとに算定された単位×サービスごと地域ごとに設定された1単位の単価=事業者に支払われるサービス費

527単位×11.14円=5870円(端数切捨)

 

これが、利用者一人が「就労継続支援A型」を利用した場合の金額です。

施設全体としてみると、利用者が20人いて、ひと月の稼働日が20日だとすると以下のような計算になります。

 

5870円×20名×20日=2,348,000円

これが基本となる金額です。

ここに、いろいろな要件を満たして、加算(ex.処遇改善加算)と言われる上乗せを足していき給付金額を増やしていくのです。

この金額のうち、1割もしくは負担者上限月額は利用者へ、それ以外の金額を、国保連に請求することになります。

運営する施設の報酬1単位単価を知っておけば、月の収入の予測がつくのです。

もちろん利用者数によって変動はするのですが、毎日、もしくは毎月の収益がだいたいどのくらいになるのか把握することができます。

 

返戻(へんれい)というケース

いずれかの請求書類に不備があると、本来事業所へ支払われるはずの給付金が支払われない事態となってしまいます。

利用者へのサービスの提供だけでなく、請求書類の作成業務も確実に行うことが大切です。

給付金の請求をすると、国保連で一次審査が行われます。

ここで明らかな「エラー」と判断されれば、返戻対象になります。

国保連での一次審査を通過しても、次は市区町村での二次審査があります。

ここで審査された結果、返戻となることもあります。

国保連、市区町村の二重でしっかりチェックされることとなります。

請求内容の誤りによる返戻であった場合、当該明細書の修正を行い、翌月、国保連に再請求を行います。

返戻となってしまうことで、請求し直しになるため、給付金の支払いもさらに遅くなってしまいます。

注意が必要です。

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