ブログ
11.182022
信書便はどこで送れるか?
目次
信書とは
みなさん、「信書」ってご存じですか?
聞いたことはあるけれど、説明しろと言われるとちょっと、、、
特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。
郵便法第4条第2項
なんじゃこりゃ。
特定の受取人
差出人が、その意思の表示や事実の通知を受け取る者として特に定めた人のことです。
誰宛て、がはっきりしていることを指します。
手紙やはがきは、信書になるということです。
意思を表示し、又は事実を通知
差出人の考えや思いを表し、または現実に起こったことや存在することがらなどの事実を伝えることです。
納品書請求書見積書、願書、給与明細書、注文書などは思いを表したり、存在することがらを伝えるということで信書です。
文書
文字や記号などで、人が知覚により認識できる情報が載っている紙や有体物のことです。
電磁的記録物は信書にあたりません。
信書に該当する文書
- ■書状
- ■請求書の類
- ■会議招集通知の類
【例】 結婚式等の招待状、業務を報告する文書 - ■許可書の類
【例】 免許証、認定書、表彰状 - ■証明書の類
【例】印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し - ■ダイレクトメール
- 文書自体に受取人が記載されている文書
- 商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書
信書に該当しない文書
- ■書籍の類
- ■カタログ
- ■小切手の類
- ■プリペイドカードの類
- ■乗車券の類
- ■クレジットカードの類
- ■会員カードの類
【例】 入会証、ポイントカード、マイレージカード - ■ダイレクトメール
- 専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなもの
- 専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの
- ■その他
◇名刺、◇パスポート、◇振込用紙、◇出勤簿、◇ナンバープレート
※ ◇印は個々の相談において判断された事例
いかがですか?
意外な線引きがされているなと思った方もいるでしょう。
個人情報が含まれるものは信書?
個人情報を含むか含まないかが、信書かどうかを決めるわけではありません。
ですから、個人情報を含むすべてが信書というわけではありません。
個人ではなく、法人あての文書は?
「特定の受取人」は法人も含みます。
よって「株式会社○○ 御中」となっていて差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書は信書です。
封筒に「親展」とあったら信書?
親展とあっても、文書の中身が差出人の意思を表示し、又は事実を通知するものでなければ信書ではありません。
こんな事件がありました
事例1
埼玉県の30代女性職員が2009年6月、当時郵便事業会社以外の扱いが原則禁じられた信書をヤマト運輸のメール便で県内の男性に送り、案内を受け取った男性が県警に告発した。
県警は、県と職員、ヤマト運輸と従業員2人について、郵便法違反の疑いがあるとして、11年3月16日付で書類送検。
事例2
グッドウィルがクロネコメール便を使用して、労働者約80万人に2007年7月以降、「日雇い派遣労働者から天引きしていたデータ装備費の返還を伝える文書」を送付。
グッドウィルは総務省に対して信書であったことを認め、再発防止案を提出し、行政処分を免れた。
両事例とも、ヤマト運輸(株)がからんでいますが、ヤマトで信書を送ってはいけないんですよ。
知っていました?
私も知らなかったのですが、そういえば昔いた会社で、品名に「請求書」と書いた荷物をヤマトで送ろうとした人が集荷をしに来たヤマトのドライバーさんに断られていたのを記憶しています。
信書はなにで送ればいいの?
では、信書はどうやって送ればいいのでしょうか。
ヤマト運輸(株)
今もNGです。
日本郵便(株)
つまり普通の郵便ですが、以下のサービス以外ならOK。
- ゆうパック
- ゆうメール
- ゆうパケット
- クリックポスト
佐川急便(株)
「飛脚特定信書便」を使えばOK。
バイク便
都内だと、早くて便利なのでよく使いますが、「信書便事業許可」を取っているところはOK。
信書便事業許可って?
さらっと書きましたが、「信書便事業許可」ってなによ?
上記「3 信書はなにで送ればいいの?」でNGやらOKやら書きましたが、これは信書便事業許可を取っているかどうかなのです。
ヤマト運輸(株)はこの許可をとっていません。
日本郵便(株)は「一般信書便事業許可」をとっています。
佐川急便(株)は「特定信書便事業許可」をとっています。
さて、なぜヤマト運輸(株)はこの許可を取らないのか不思議に思い問い合わせました。
回答は以下のとおりでした。
信書の取扱に関しましては、郵便法で定められており、基本的に日本郵政の独占としております。
弊社として信書と非信書の境界が曖昧で、以前は平成15年3月に総務省が公表した
「信書に該当する文書に関する指針」を参考に業務を行っておりましたが、
曖昧なまま業務を続ける事が出来ない状況にあるためです。