ブログ
10.252022
忘れてはいけない!障害福祉サービスの変更届出と変更申請
目次
障害福祉サービス施設を運営していく上で、日々の忙しさの中で忘れがち、後回しにしやすい手続きです。
変更届が必要にもかかわらず、うっかりということがないように押さえておきたいポイントです。
以前にも、変更届についての記事を書きましたが、今回は、そのおさらいと「変更申請」についてもみていきましょう。
変更届出
以下の変更が生じた場合は、あらかじめ又は変更後10日以内に変更届を出す必要があります。
- 事業所(施設)の名称
- 事業所(施設)の所在地
- 申請者(法人)の名称
- 主たる事務所の所在地
- 代表者の氏名及び住所
- 定款・寄付行為及びその登記簿の謄本又は条例等(指定にかかる事業に関するもの)
- 事業所の平面図及び設備の概要
- 事業所の管理者の氏名及び住所
- 事業所のサービス管理責任者の氏名及び住所
- 主たる対象者
- 運営規程
- 介護給付費等の請求に関する事項
- 協力医療機関の名称及び診療体制及び支援の体制の概要
「12.介護給付費等の請求に関する事項」においての注意点
加算が増える場合ですが、毎月15日までに届け出があれば翌月からの適用になりますが、それ以降だと翌々月からになります。
変更届を郵送する場合「変更届を記入した日」や「変更届を発送した日」ではなく、担当部署へ「到達した日」が届出日になります。
新しい加算の適用 | |
15日までに届出(担当部署に到着) | 翌月 |
16日以降に届出(担当部署に到着) | 翌々月 |
ちなみに、15日が土日祝日で閉庁している場合は、直前の開庁日までに到達していることが求められています。
例えば、15日が月曜日でも祝日の場合は、12日の金曜日には到着していなければいけません。
逆に、加算されない変更が生じた場合。
算定される加算の単位数が減る場合や、加算が算定できなくなる場合のようなパターンです。
こちらは、加算の条件を満たさなくなる事実が「発生したその日」から算定が行われなくなるので注意です。
変更申請
こちらは、前月の15日までに提出が必要です。
- 利用者の定員変更
- 従たる事業所、出張所の追加
変更することによってその事実だけではなく、他の基準等にも影響する内容です。
だから届出ではなく申請となり、通常の指定申請に近い手順を踏むことになります。
「1.利用者の定員変更」の注意点
定員が増える場合、事業所の設備基準や人員基準も変わってきます。
平面図、建物面積表、勤務体制一覧表の提出も必要になってきます。
そして、定員変更の場合は事業所所在地の市区町村にも事前連絡が必要です。
補助金の関係や、市区町村内の利用者受入数の把握等で市区町村でも情報を共有するためです。
「2.従たる事業所、出張所の追加」の注意点
「新規指定」と同様の確認が必要になってきます。
東京都においては、各市区町村や建築課、消防署への事前確認が必要となり、その確認内容の議事録も必要になります。
新規指定と同様の確認が必要となる為、物件を新しく契約する場合には、事前に各所管に相談をしたほうがいいと思います。
参照元/東京都福祉保健局障害者施策推進部:「障害者支援施設及び障害福祉サービス事業の変更に係る手続きと届出方法等」
事業譲渡
事業譲渡により、運営する法人に変更があった場合の手続きです。
例えば、加盟店(フランチャイジー)として施設を運営していたが、撤退するため、事業をフランチャイズ本部(フランチャイザー)に譲渡するような場合。
このような場合も事業譲渡にあたります。
この場合は、フランチャイズ本部が新規指定申請を行います。
それと同時に加盟店が廃止届出を行うことになります。
廃止届
東京都では、事業所を廃止または休止する場合には事前相談をすることを求めています。
事業譲渡する場合はともかく、事業所を廃止してしまう場合、そこには利用者さんがいらっしゃると思います。
無責任に運営を「辞めた」とはできないわけです。
そのための「移行先リスト」を作成する必要があります。
これは、利用者さんと面談し希望や意向等をしっかりと聴き取って、誠心誠意責任のある対応をしましたという記録です。
廃止や休止をするには、この移行先リストを作成して「廃止・休止届出書」と共に提出しなければいけません。
なお、その提出期限は、廃止・休止する1か月前までに提出することとなっています。
個人的に思うこと
ここからは、独り言です。
もちろん、やむにやまれぬ理由から事業所を廃止や休止するところが多いと思います。
私たちが違う環境に置かれるとき(子供のころだと転校、大人だと転職)、新しい環境になじむのはそれなりに時間がかかります。
障害福祉サービスを利用されている方は、精神の障害をお持ちの方も多いです。
居場所を「移行」することによって環境が変わることは、私たちが考える以上にハードルが高いと思います。
身体障がいをお持ちの利用者さんも、せっかくなれた施設の使い勝手がある日変わってしまいます。
健常者の個人差よりも、利用者さんの個人差はもっと千差万別です。
誰のための施設運営、サービスであるのかを考えさせられます。