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3.102023
行政書士が出張封印をできるようになるまでの流れ(研修申し込みなど)
2022/11/16の記事のリライトです。
出張封印とは?
本来、新しいナンバープレートを車につける際には、自動車を運輸支局や自動車検査登録事務所に持ち込まなければいけません。
そのデメリットは、時間もリスクも伴うものです。
ナンバーがついていないので、自走することができません。
キャリアなどの車両に積載して持ち込むには、費用がよけいにかかります。
また、その道中に事故に合わないとも限りません。
そして運輸支局の窓口が開いているのは、当然平日の日中のみです。
その日中でも、昼休み中は対応してくれません。
そこで、車を運輸支局に持ち込むのではなく、車を駐車しているところに行政書士が封印とナンバーを持って取り付けに行くことができる制度。
それが出張封印です。
丁種(ていしゅ)封印とも言われます。
行政書士になったら誰でもできるわけではありません。
丁種会員になる必要があります。
研修を受けた自動車に精通した
丁種会員になるまでの流れですが、今回、私が経験したことを元に書いていきます。
年ごとや単位会ごとにより違うと思いますので、しっかりご自分でも確認をなさってください。
案内を見て、申し込む
チャンスは年1回です。
夏頃、出張封印の案内が会報の「行政書士とうきょう」に出ました。
今回は8月号に、以下のような案内がでました。
出張封印(丁種)業務研修
※新規登録希望者対象
申し込むには、東京都行政書士会 会員用サイトが使用できないといけません。
IDとパスワードの取得を早めに行ってください。
こちらのサイトの「講習会・研修会一覧」より申し込みを行いました。
メールでの案内
研修を受けなければいけません。
すべてWEB研修、動画を視聴するという形でした。
動画の内容は、出張封印に関することだけではなく、車庫証明、自動車登録についての動画もあります。
車庫証明、自動車登録の動画ともに約1時間。
出張封印の研修動画は2時間ほどでした。
わりとみっちりあります。
「動画を見るだけか、楽勝!」ではありません。
この内容を理解したか、テストのようなものがあります。
考査・効果測定
動画を理解したかの確認のテストは、「考査・効果測定」と呼ばれています。
丁種会員になる上での、一番のハードルだと思います。
誰でも合格できるような生易しいものではありません。
聞くところによると、受験者の約半数が落とされるという難易度のテストです。
何問正解で合格するという明確な基準はないそうで、そのときの相対的な出来に左右されるようです。
この「考査・効果測定」は、指定された日時(1日のみで午前か午後が選べる)に行政書士会館で行われました。
この効果測定に関する記事は、こちらで詳しく書いています。
運輸支局から東京都行政書士会が委託されて、それがさらに丁種会員に委託されて行う業務です。
しっかりした知識をもって業務を行わなければならないため、このような効果測定が設けられています。
考査・効果測定の合否
「考査・効果測定」の結果は、登録したメールアドレスあてにきます。
効果測定を受けた日から、1週間くらいで合否のメールが届きました。
何問正解だった、などは一切知らされません。
「貴殿は基準点到達者となりましたのでご報告申し上げます。」という通知のみです。
実地研修会を受講する
「実地研修会」との名がついていますが、こちらも動画視聴です。
zoomウェビナー機能を使ったセミナーです。
ここで実際の封印作業の流れも見ることができ、時間は1時間半もないぐらいでした。
この研修会では、zoomの機能で参加不参加がしっかり把握されます。
これを受講しなければ、効果測定に合格しても丁種会員になることを希望しないとみなされてしまいます。
あとは、申し込みを行うだけ
実地研修会レジュメとともに、申込書等も配布されます。
- 丁種会員名簿登載申込書
- 確約書
- 賠償責任保険加入確認資料
こちら3点をそろえて、封印管理特別委員会にメール送付する必要があります。
実地研修会が10月24日。
この締め切りが11月10日です。
そして12月1日付で丁種封印名簿登載、丁種会員になれるのです。
注意事項
丁種会員になるためには、賠償責任保険(封印特約付)に加入することが必須です。
引用:日本行政書士会連合会 行政書士 賠償責任補償制度パンフレットより
賠償責任保険自体の年間保険料は一番安くて5,000円です。
今回は、オプション①の特約を付けなければいけません。
こちらは安くて6,000円です。
年間、最低11,000円の保険に加入し続ける必要があります。
そして、もう1点。
封印取付け報告書をメールで送付するという、報告業務が発生します。
毎月10日までに前月分の報告を行うのです。
こちらは、受任件数が全くなかったとしても、0件として報告が必要になります。
以上の2点を検討して、丁種会員に申請するかを決めなければいけません。
11月10日までに申請をせずに見送った場合はどうなるか。
実地研修会内での口頭回答でしたが、効果測定の結果は先3年間は有効とのことでした。
いつでも名簿登載の申請ができるかははっきりわかりませんでしたので、確認が必要です。
これから受ける方の参考になれば、幸いです。
補足
こちらは東京会での手続でした。
丁種会員になるための手続きは、単位会ごとに違います。
私が知る限りでは、年一回、秋以降に丁種会員になる機会が設けられているようです。
効果測定を含めた研修(オンラインではない)を、2日間受講しないといけない単位会もあるようです。
出張封印を自分の業務にしたいと考えている方は、しっかり情報をキャッチしていきましょう。